2022.07.08
(福村出版、2020 年、3800 円+税)
周知のように、教職員の多忙化は重大な問題となっている。その問題に対して、日本教育行政学会の研究活動をもとにまとめられたのが本書である。
本書の構成は大きく 3 部に分かれている。第1 部「教員の多忙化をめぐる法と教育行政」では、教員の多忙化の要因をめぐって、法・政策・制度・財政が取り上げられている。とくに、第 2 章「新自由主義教育改革下の教育政策と学校教職員の多忙化問題」(唯物論研究協会会員の石井拓児氏執筆)では、新自由主義教育改革のもと、教職員定数はいっこうに改善されることはないまま、教職員が「働きすぎ」を猛烈に促進する教育政策にさらされ続けてきたことが指摘されており注目できる。
続く、第 2 部「多忙化問題と職場としての学校・教育労働」では教職員の労働過程や専門性、学校組織の特殊性といった観点から、教職員の多忙化が論じられている。そして、第 3 部「教員の多忙化をめぐる教育行政学の課題」では、教育行政学がこの教職員の多忙化という問題に対して、どのように対峙するのかについての議論が展開されている。
もちろん、論者によって、問題・課題の立て方について違いはある。しかしながら、それも含めて、教職員の多忙化という問題に対する多様なアプローチを知ることができるのが、本書の魅力である。
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